ドリーマーズファンド 本田圭佑氏のビデオメッセージ:
グローバルに出て行くためには言語の問題は大きい。自分自身も現在言語の克服に取り組んでいる。信頼関係を構築するためには言語が最低限、必須である。
ドリーマーズファンド 中西 武士氏(以下、中西氏):
日本が勝つために何をするべきか、という回答がドリーマーズファンドである。我々はアメリカのインサイド案件に投資をしている。シード企業に投資をし、スケールさせて、M&Aの段階で日本の企業に紹介していくことが我々の役割である。
株式会社WiL 松本 真尚氏(以下、松本氏):
当社も投資事業を行っており、現在2号ファンドを運営している。特にBtoBに投資をしている。アメリカのいいBtoBベンチャーを日本に紹介したいと考えている。また、イントルプレナーとアントレプレナーをミックスするような人材育成にも取り組んでいる。自身はJ-Startupベンチャーの社長にも就任している。マルチで様々な組み合わせに取り組みたい。
株式会社スマートドライブ 北川 烈氏(以下、北川氏):
自動車につけるセンサーとデータ解析事業を行っている。BtoBがメインであるが、今年から個人向けに高齢者の見守りサービスも始めた。事故リスクや自動車の故障リスクなどを予測していくプラットフォームも提供している。海外では、自動車に限らず動くものの最適化に取り組んでいる。3年前から外資系企業4社が株主になっている。今年の夏から中国のシンセンにオフィスをつくっている。メインの市場は東南アジアを狙っている。
株式会社チャレナジー 大坂 吉伸 氏(以下、大坂氏):
明日の「ガイアの夜明け」でチャレナジーが特集されているので見てほしい。当社は次世代の風力発電機をつくっている。離島のように台風や突風が吹く場所では従来型のプロペラは馴染まないといわれており、垂直軸型マグナス式の発電機を開発している。石垣島に試験機を立てた。24時間365日エコなエネルギーを提供していくために、世界中に展開していく。今年、フィリピンで合弁会社を作る予定である。
日本のスタートアップが海外で活躍していくために足りないものは?
海外を目指す気持ちが足りない。まずは日本で成功してから海外にいこうと考えているベンチャーは多いが、はじめの一歩を海外でやっていくというマインドセットが大事である。
サービスよりのビジネスだといきなり海外は難しくないか?
最終的に成功するものはどこではじめても成功する。
海外に出て行くために一番苦労するのは人の採用である。語学ができても、シリコンバレーのインナーサークルに入ることは難しい。日本でヤフーが成功したのは、カルチャーライゼーションができたからだろう。信用できるローカルメネージャーをおくこと。現地での組織作りができるかどうかは非常に大事である。
現地の人とやらないと意味がないし、成功しない。言語が大事なのは、海外のいいプロダクトマネージャーを口説くときに必須になるからである。
ローカライズしていくために苦労していることは?
シンセンにオフィスをつくったのは当社がはじめてだといわれている。視察だけでなく現地にコミットすることが大事である。現状ではあまり英語を使う機会がない。言語能力の前に、話を聞きたいと思ってもらえるものがあるかどうかが重要だと感じる。言語が下手でも魅力があれば聞いてくれる。聞こうと思っている人の話は伝わる。
当社は半分が外国籍の人である。日本に留学してきている人、海外のニュースからの問い合わせで入社する人がいる。ベンチャーはないもの尽くしである。経済産業省の予算を使って、フィリピンの現地調査を行い、今回合弁会社をつくることになった。フィリピンでは現地採用している。良い人を採用するには課題の大きさをぶらさずに言い続けることが大事である。海外の人へのPRにおいては、2017年のクリーンテックベンチャーが集まる世界大会で優勝したこともプラスに働いている。
自分のカルチャーと違う人とビジネスをつくっていくときに、相手の何を見ている?
アントレプレナーというのが一つの人種だと思っている。真摯な対応と情熱がある人に投資を行う。WiLのメンバーとして受け入れる場合はカルチャーフィットを大事にしている。これまで採用してきた人もカルチャーフィットである。長年知っている人を採用している。
アーリーに投資をしているので、ビジネスモデルではなく、本当に長年この問題について考え続けてきた人なのかを見ている。例えば、ブロックチェーンが流行りだしたときに、2012年に考えていた人を探し出している。メンバーはカルチャーフィットである。同じビジョンをみているかどうかだ。現在ベンチャーパートナーを募集しており、先日履歴書がすごい人から応募があったが、ビジョンが合わなかったので採用しなかった。今のファンドを立ち上げた4名は組む前に2つのことを行った。まず一緒に同じ案件に投資をして、どういう風に会社をサポートするかを見た。投資パートナーとして上手くいくかどうかをみた。次に、肖像権を公開した。ウィルと本田にとって肖像権が本質であり、お互いど真ん中で貴重なものを公開できるかどうかをみた。それらを乗り越えて、ファンドをやろうという話になった。
これまではカルチャーフィットで採用している。モチベーションがどこにあるかを見ている。趣味でもいいが、何にコアな価値を置いているかを見ている。ベクトルが自分に向いていない人は採用しない。自分のキャリアアップが先にくると上手くいかない人が多い。会社のために何でも出来る人は会社の成長につながり、自身の成長につながる。また社長と合うかどうかもみている。要職につく人は「この人で失敗しても納得できる」という人を採用する。
ビジョンとパッションがあるかどうか。そこが合えばスキルは後からでもいい。フィットするかどうか、現地のパートナーも同じである。今回組む相手は大手ではないが、ビジョンとパッションがある。長い時間を共有している中で、やるぞ、やろうという関係性がいかにもてるかが大事。
日本から世界の課題を解決していく。そうしないと意味がない。自分たちに皆さんの支援を乗せてほしい。一緒に世界戦を戦いたい。
中国と比べて、規模、スピード、マインドが弱み。二桁や三桁違う。中国はどんどんやっちゃうのが強み。日本の強みは、きめ細やかさ、要素技術をマーケットにフィットさせる改善力が強い。日本の強みを生かして世界に出て行くことが大事。
日本の強みはチームワーク。アメリカは自分が勝つためにやっている人が多い。日本は道徳が出来た国なので、そこにプライドをもってチームで勝っていけたらと思っている。LP、GP関係なく、一緒に世界一を目指していく。また、アメリカのベンチャーにはアイディアはあるが、インフラがないので、日本の大企業のインフラと組み合わせれば、世界で勝っていけるだろう。
日本は八百万の神を信じることができる。唯一神はぶつかってしまう。日本は価値の多様性を認めることができる点が強みでありそれを世界に発信していけたらよい。世界の架け橋になれるのは日本人だと考えている。しかし残念ながらシャイで言語ができない。また日本はノーがいえない。それらのバランス感が大事になる。英語+コミュニケーション能力+ノーといえる気持ちがあれば、日本はこれから変わっていく。