販路拡大や新規事業開発は、多くの企業が直面する重要な経営課題です。
近年、多くの銀行が中小企業・スタートアップの成長を支援するため、ビジネスマッチングサービスを積極的に展開しています。銀行の豊富な取引先ネットワークと信用力を活用することで、これまで出会えなかった優良企業との商談機会を効率的に創出できます。
本記事では、銀行が提供するビジネスマッチングの仕組みから、利用するメリット・デメリット、具体的な活用方法まで、くわしく解説します。
自社の成長を加速させるためのヒントを見つけて、新たなビジネスチャンスを掴みましょう。
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銀行が提供するビジネスマッチングとは?
銀行が提供するビジネスマッチングとは、銀行が持つ膨大な取引先ネットワークを活用し企業同士を結びつけることで、新たなビジネスチャンスを創出するサービスのことです。
具体的には、新規事業の立ち上げを検討している企業と、その事業に必要な技術や製品を持つ企業を結びつけたり、販路拡大を目指す企業に新たな販売先を紹介したりと、顧客の課題解決や事業成長を支援することを目的としています。
仕組み
ビジネスマッチングの具体的な仕組みは、銀行やサービスによって異なりますが、大きく分けて「イベント開催型」「オンラインプラットフォーム型」「個別紹介型」の3つに分類できます。
イベント開催型は、特定のテーマ(例:DX、脱炭素、地域活性化など)に沿った企業が一堂に会し、名刺交換や個別商談を行う形式です。
一方、オンラインプラットフォーム型は、専用のサイト上で自社の情報を登録し、条件に合う企業を探して商談を申し込む形式です。
個別紹介型は、銀行の担当者が顧客の課題やニーズをヒアリングし、それに合った取引先を個別に紹介する、従来型です。
どの仕組みも、銀行が持つ豊富な取引先情報と信用力を背景に、安心して商談を進められることが大きな特徴です。
どのような企業が対象になるのか
銀行が提供するビジネスマッチングは、主に中小企業やスタートアップ企業を対象としています。特に、以下のような課題を持つ企業が利用することで、大きなメリットを得られます。
- 販路開拓:新たな販売先や提携先の発掘を目指す企業
- 事業連携:自社の技術やサービスを活用してくれるパートナーを探している企業
- 新規事業:自社にはない技術やノウハウを持つ企業と協力して、新しい事業を始めたい企業
- 業務効率化・DX:自社の課題解決に役立つソリューションを探している企業
資金調達だけでなく、事業成長に必要な「ヒト・モノ・情報」の面でも顧客を支援することで、地域経済の活性化や産業の発展に貢献するという側面も持ち合わせています。
銀行がビジネスマッチングを提供する主な理由

銀行がビジネスマッチングに積極的に取り組む背景には、従来型の貸し付け業務に加えて、非金利収益の拡大や、顧客との関係強化を目指すという目的があります。
ここでは、そういった主な理由について以下で詳しく解説していきます。
取引先同士を結びつけて銀行のサービスの利用を促進するため
銀行にとって、ビジネスマッチングは取引先同士の関係を強化し、自社のサービス利用を促進する効果が期待できます。
たとえば、ビジネスマッチングによって新たな事業提携が生まれた場合、提携先の運転資金や設備投資資金の相談に乗ったり、新たな口座開設や決済サービスの導入を提案したりするなど、さまざまな金融サービスを提供できる機会が生まれます。
自行の銀行の地域における基盤を強化するため
ビジネスマッチングは、銀行が地域社会や産業において、より強固な地盤を築くための重要な手段です。地域の中小企業やスタートアップの成長を支援することで、地域経済全体の活性化に貢献し、銀行自身の存在価値を高めることができます。
これにより、地域における銀行の信頼度やブランドイメージが向上し、新規顧客の獲得や既存顧客との関係維持にもつながります。
紹介手数料などで金利以外の収入を得るため
少子高齢化や低金利政策の長期化により、銀行は従来の貸し付け業務による収益だけでは経営が厳しいのが実状です。
そこで、融資以外の収益源を確保するため、ビジネスマッチングの有料化を進める銀行も増えています。
ビジネスマッチングによる収益源として、マッチングが成立した際の手数料や、イベントの出展料、プラットフォーム利用料など、非金利収益の柱として期待されています。
銀行が提供するビジネスマッチングの効果と活用メリット
銀行が提供するビジネスマッチングは、単に企業を紹介するだけでなく、事業成長を多角的にサポートするさまざまなメリットがあります。
ここでは、銀行が提供するビジネスマッチングの主な利点について以下で詳しく解説していきます。
取引先が短時間で見つかり売上チャンスが増える
銀行によるビジネスマッチングを利用することで、自社だけでは接点を持つことが難しかった企業と、短期間で効率的に出会えます。
なかでも、銀行が開催するマッチングイベントでは、一度に多くの企業と交流できるため、新たな販売先や提携先を効率的に見つけることができます。
これにより、売上拡大や新規事業の創出につながるビジネスチャンスが増加します。
銀行の信用力で信頼できる相手と出会える
銀行がビジネスマッチングで紹介する企業は、すでに銀行との取引がある、一定の審査基準を満たしているなどの条件を満たしている場合がほとんどです。
そのため、事前の与信審査の手間を省き、安心して商談を進められるという大きなメリットがあります。信頼できるパートナーと出会うことでリスクを軽減し、より健全なビジネス関係を築くことができます。
資金調達や補助金情報など追加支援も受けやすい
ビジネスマッチングをきっかけに銀行との関係を深めることで、資金調達や補助金・助成金に関する情報など、事業成長に必要な追加支援を受けやすくなります。
また、銀行の担当者は、マッチングを通じて企業の事業内容や課題を深く理解するため、企業の状況に合わせた最適な金融サービスを提案しやすくなります。
銀行のビジネスマッチングを利用する際の注意点
銀行が提供するビジネスマッチングには、前述した通り多くのメリットがありますが、最大限に活用するためには、いくつかの注意点を押さえておく必要があります。
ここでは、認識しておくべき注意点について以下で詳しく解説していきます。
コスト構造を理解して予想外の費用負担を防ぐ
銀行によっては、ビジネスマッチングの利用に際して手数料が発生する場合があります。イベントへの出展料、オンラインプラットフォームの利用料、そしてマッチングが成立した場合の成功報酬など、その費用は多岐にわたります。
無料のサービスも多いため、事前にコスト構造を十分に確認し、予算に合ったサービスを選択することが大切です。
「紹介先=安心」と決めつけず、自らの目で見極める
銀行が紹介する企業は、一定の信用力があることが大きなメリットではありますが、すべての面において完璧であるとは限りません。自社のビジネスと本当にシナジーが生まれるのか、企業文化や価値観が合うのかなど、商談を通じて自らの目でしっかりと見極める必要があります。
「銀行の紹介だから大丈夫」と安易に決めつけず、通常の取引先選定と同様に慎重な検討を行うことが重要です。
ゴールと条件を明確化してズレたマッチングを避ける
ビジネスマッチングを成功させるためには、事前に「どのような目的で、どんな企業と出会いたいのか」を明確にしておくことが不可欠です。
例えば、「海外進出を検討しており、現地の販売代理店を探したい」「新製品の製造を委託できる国内の工場を探している」といった具体的な目標と条件を言語化しておくことで、銀行の担当者も適切な企業を紹介しやすくなります。
目標が不明確なままだと、自社のニーズとズレたマッチングばかりが発生し、時間と労力の無駄になってしまう可能性もあるため、事前に整理しておくことが重要です。
代表的なマッチングイベント・支援事業
銀行のビジネスマッチングは、さまざまな形式で提供されています。
ここでは、代表的なマッチングイベントや支援事業の例をいくつかご紹介します。
地方銀行が企画するビジネスマッチングフェア・展示会
全国各地の地方銀行では、地域の特色や産業に合わせたビジネスマッチングフェアや展示会を企画・開催しています。
たとえば、製造業が盛んな地域であれば「ものづくりマッチング」、農業が中心の地域であれば「アグリテックフェア」といったテーマを設定し、地域の企業同士の交流を促進しています。
商工会議所や自治体が共催する企業交流イベント
銀行単独ではなく、商工会議所や自治体と連携して企業交流イベントを開催するケースも多く見られます。
こうしたイベントは、地域全体の活性化を目的としているため、より幅広い業種の企業が参加する傾向があります。異業種交流会や講演会、個別相談会などが設けられ、新たなビジネスの種を見つける機会を提供しています。
オンライン型のビジネスマッチングプラットフォーム
近年では、インターネットを通じて全国の企業とつながれるオンライン型のビジネスマッチングプラットフォームが増加しています。銀行が独自のプラットフォームを運営したり、外部のサービスと連携したりして、時間や場所の制約を受けずにマッチングできる環境を提供しています。
特に、都市部の企業と地方の企業を結びつけたり、海外企業との商談を支援する上で有効な手段となっています。
銀行のビジネスマッチングの手数料相場
銀行のビジネスマッチングサービスは、多くの場合、成果報酬型や月額利用料といった形で手数料が発生します。
この手数料は、利用するサービスの種類や形態によって大きく異なります。ここでは、銀行が提供するサービスと、一般的なビジネスマッチングサイトの料金体系を比較してみましょう。
| 料金形態 | 銀行のビジネスマッチング | 一般的なビジネスマッチングサイト |
| 月額利用料 | 無料~数千円程度が多い | 月額1万~10万円程度 |
| 成果報酬 | 成功報酬として数十万~数百万円 | 契約金額の5~20%程度 |
銀行提供のビジネスマッチングは、無料で利用できるサービスも多い一方、成果報酬型ではマッチング成立時に数十万円から数百万円程度の成功報酬が発生するケースもあります。
一方、一般的なビジネスマッチングサイトでは、月額利用料を支払う「月額掲載型」や、マッチングが成立したタイミングで費用が発生する「リード課金型」、そして契約が成立した時点で支払う「成果報酬型」など、さまざまな料金形態が存在します。特に成果報酬型の場合は、契約金額の5〜20%程度が手数料の相場となっています。
このように、銀行のビジネスマッチングは一般的なビジネスマッチングサイトと比較して、初期費用や月額費用を抑えやすい傾向にあります。
ただし、成果報酬が数十万円単位と高額になる場合もあるため、利用する際は、契約条件を十分に理解し、費用対効果を慎重に検討することが重要です。
銀行が提供するビジネスマッチングの代表例5選
多くの銀行がビジネスマッチングサービスを提供していますが、その内容は各行の強みや地域特性を活かした独自性を持っています。
ここでは、ビジネスマッチングを提供している代表的な5つの事例を紹介します。
きらぼし銀行
きらぼし銀行は、東京都を中心とした地域に根差した銀行として、広域的なネットワークを活かしたビジネスマッチングを提供しています。
取引先同士の販路拡大や技術提携を目的とした商談会を随時開催しており、多様な業種の企業が集まるイベントを通じて、新たなビジネスチャンスを創出しています。
また、メガバンクや全国の地方銀行、証券会社などとも連携しており、より最適なマッチング相手を見つけるための幅広い情報網を活用しているのが特徴です。
>きらぼし銀行公式ウェブサイト「ビジネスマッチング |経営・事業支援」
三菱UFJ銀行
三菱UFJ銀行は、国内最大級のネットワークを活かし、オンライン型のビジネスマッチングサービス「Everyday Business Link System~Bizry~」を提供しています。
業種や所在地、企業規模を問わず、同行の取引先企業同士がオンライン上で商談の機会を得られるのが特徴です。
新技術の発掘・導入、新規事業開発、販路開拓など、さまざまな経営課題の解決を支援する目的でサービスを展開しており、デジタルを活用した迅速かつ効率的なマッチングを実現しています。
>三菱UFJ銀行公式ウェブサイト「Everyday Business Link System~Bizry~」
四国アライアンス(四国4銀行)
四国アライアンスは、四国の地方銀行4行(阿波銀行、百十四銀行、伊予銀行、四国銀行)が包括提携して設立された地域連携の枠組みです。
このアライアンスを活用し、地域の中小企業やスタートアップの事業拡大を支援するため、共通のビジネスマッチングプラットフォームを構築しています。
地域色豊かな特産品や技術を持つ企業同士をつなぐ商談会を開催するほか、アライアンス全体で情報共有を行うことで、地域を越えたスピーディーなマッチングを可能にしています。
>いよぎんレポート「四国の地方銀行4行で、包括提携「四国アライアンス」をスタート!」
大和証券
証券会社である大和証券も、顧客企業の事業成長を支援する一環としてビジネスマッチングサービスを提供しています。
「ビジネスマッチングAIサービス」は、全国の顧客企業からAIを活用して最適な提携先を見つけるサービスです。新製品の製造請負や製造依頼、販売元・仕入先の発掘など、多様な事業ニーズに対応しています。
また、地方銀行との提携も積極的に進めており、幅広いネットワークを活用したマッチング支援を行っています。
>大和証券公式ウェブサイト「ビジネスマッチングAIサービス」
京都銀行
京都銀行は、広域店舗ネットワークを活かしたビジネスマッチングを積極的に推進しています。京都・大阪・滋賀・兵庫・奈良・東京・愛知などに拠点を持つ強みを活かし、エリアを越えた企業同士の出会いを創出しています。
また、内閣府の「先導的人材マッチング事業」の間接補助事業者として、ハイレベルな経営人材と地域企業のマッチングも行っており、地域経済の活性化と企業成長を多角的に支援しています。
>京都銀行公式ウェブサイト「地域密着型金融」の取組み状況(2021年4月~2022年3月)
銀行のビジネスマッチングを有効活用するためのコツ
銀行のビジネスマッチングは、受け身の姿勢で待っているだけでは十分な成果を得にくいものです。サービスを最大限に活用するためには、利用者側も積極的に準備と行動をすることが重要です。
ここでは、銀行のビジネスマッチングを有効活用するためのコツについて、以下で詳しく解説していきます。
求める相手像と条件を言語化してから相談する
ビジネスマッチングを成功させるための最初のステップは、「誰と、どのような目的で出会いたいのか」を具体的に言語化しておくことです。
「とにかく売上を伸ばしたい」「良いパートナーが見つかればいい」といった漠然とした希望では、銀行の担当者も適切な企業を見つけるのが困難です。
「特定の地域で販路を拡大したい」「自社の技術を使って、新製品を開発してくれる企業を探している」「ITツールを導入して、業務を効率化したい」など、具体的な課題やニーズを明確にしておくことで、マッチングの精度は格段に向上します。相談時には、担当者と詳細を共有できるよう、資料などを整理して準備しておきましょう。
会社概要・強み・実績を1分で伝えられる資料を準備する
銀行の担当者は、多くの企業を担当しており、あなたの会社を十分に理解しているとは限りません。そのため、簡潔かつ明確に自社の魅力を伝えられる資料を事前に用意することが重要です。
自社の事業内容、強み、これまでの実績、そしてビジネスマッチングを通じて何を求めているのかを、1分程度のプレゼンテーションで伝えられるようにまとめておきましょう。相手に興味を持ってもらえれば、そこから具体的な商談へスムーズに進める可能性が高まります。
紹介後は即レス&進捗共有で追加サポートを引き出す
ビジネスマッチングで企業を紹介されたら、その後の対応の早さが重要になります。
紹介された企業に対しては迅速に連絡を取り、商談の進捗状況を銀行の担当者にも定期的に共有しましょう。連絡を怠ったり、進捗が不明確だったりすると、担当者もその後のサポートに消極的になってしまうことがあります。
積極的にコミュニケーションを取ることで、担当者との信頼関係が深まり、新たな紹介や資金調達、補助金情報など、さらなる支援を引き出すことにもつながります。
まとめ|銀行のビジネスマッチング支援を成長戦略に活かそう
近年、銀行は単なる資金の貸し手としてだけでなく、中小企業やスタートアップの事業成長を多角的に支援する「伴走者」としての役割を強めています。その代表的なサービスが「ビジネスマッチング」です。
銀行のビジネスマッチングは、自社の課題解決や新たなビジネスチャンスの創出に役立つだけでなく、銀行の信用力を活かした安心して取引できる相手との出会いを可能にします。また、マッチングをきっかけに銀行の担当者との関係が深まれば、資金調達や補助金・助成金といった追加的な支援も受けやすくなるでしょう。
一方、成功報酬などのコストを事前に確認したり、求める相手像を明確にしておくなど、利用する側にも積極的な準備と行動が求められます。
ぜひこの記事で解説したポイントを参考に、銀行のビジネスマッチングを効果的に活用し、自社の成長戦略に活かしてください。
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銀行主導のマッチングとは異なる、より具体的で実践的なパートナー探索方法や成功事例を豊富に扱っています。ぜひ貴社のビジネスマッチング活動にご活用ください。


