リセ x NTTドコモ・ベンチャーズ | 大手×スタートアップの提携事例 | Innovation Leaders Summit
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提携事例

法務機能が十分でない中堅・中小企業を支援するAI契約書レビューサービスに、出資と代理店連携を通じて普及を加速

公開日:2026年6月 / 執筆:ILS事務局

AI契約書レビューサービス「LeCHECK(リチェック)」を提供する株式会社リセは2024年12月のILS2024で、株式会社NTTドコモ・ベンチャーズに商談をリクエスト。2025年8月には、同社が運用するファンドを通して出資が実施された。2026年5月より、リセのサービスを、NTT西日本が代理店として販売を開始するなど、連携を強化している。

NTTドコモ・ベンチャーズの背景と狙い

NTTドコモ・ベンチャーズは、CVCとして2014年より毎年ILSに参加。2024年も従来と同様に「協業可能なスタートアップの発掘」と「財務リターンが見込める投資先の探索」を主目的としていた。

特に、NTTグループのアセットと掛け合わせることで事業シナジーが期待できる企業との出会いを重視している。また、IPO可能性の高い成長企業への投資機会の獲得も重要な狙いである。ILSでの商談リクエスト数の多さでは1、2を争う人気ぶりだが、複数人でリストを精査し、限られた枠で面談先を厳選している。リーガルテックであるリセに対しては、ニューヨーク州弁護士免許を持つ小竹Directorが対応。

「リセは単なる法務DXにとどまらず、法務サービスにアクセスしづらい中堅・中小企業の不平等を解決しようとする姿勢が魅力的です。ILS当日は、シリーズCの資金調達に向けた動きや順調な成長実績を伺うのみでしたが、そこで感じた熱意や当社との相性の良さは強く印象に残っており、後の本格的な検討につながる重要な土台となりました(小竹氏)」

リセの背景と狙い

2018年創業のリセは、「弁護士の専門知見×AI技術」で企業法務の効率化・高度化を支援するSaaSを提供。契約書のリスク検知や修正提案を提示するAI契約書レビューサービス「LeCHECK」は、5000社以上に導入されている(2026年1月時点)。ILSには、シリーズCの資金調達を開始した2024年に初参加。単なる資金調達ではなく、事業会社との提携を重視する方針が背景にあった。

特に、大企業とのマッチング機会が豊富なILSはその目的に適していた。また、地方・中小企業へのリーチ拡大を見据え、大手企業の販売網やブランド力の活用可能性も期待していた。「当社は東京がメインで、大阪にも営業を置いていますが、課題解決のためにサービスを提供したい対象はそれ以外の地方にもたくさんいる。そこに自分たちではなかなかアクセスできないのが課題でした(三宮氏)」

提携内容

当初NTTドコモ・ベンチャーズは、リセを「成長著しいSaaS型リーガルテック企業」として評価するに留まった。しかし対面での印象や経営陣との相性の良さが記憶に残り、その後の展開につながる土台となったという。転機となったのはILS後で、既存投資家からの再紹介を契機に再検討が進んだ。

「彼から『(リセは)経営者の藤田さんが素晴らしい。会う度に、投資して良かったと思う』と聞き、その熱意からリセに更に興味を持ちました。(小竹氏)」。

そこで経営陣の思想や、単なる法務DXではなく「中小企業の法務アクセス格差の解消」という社会課題へのアプローチに共感が生まれ、改めて詳細なヒアリングを実施。その後、2025年初頭からデューデリジェンスを開始し、財務的成長性に加え、応援したい企業としての定性的評価も踏まえて投資検討が本格化した。数か月の検討期間を経て出資を決定し、同年11月に公表した。

提携内容として動き出しているのは、NTTグループの販売網を活用したリセのサービス拡販だ。特に在京スタートアップにはアプローチの難しい、地方企業向け顧客基盤へのアクセス強化を目的としている。まず2026年5月にNTT西日本グループでの販売代理店化を決めたところで、これを起点に他グループへの横展開も期待される。

さらに将来的には、NTTが独自に開発するAI基盤とリセのリーガル特化AIを組み合わせた技術連携などの可能性も考えられるかもしれない。このように、出資を契機に協業の「入口」に立ち、現在は具体的な事業連携を拡大していくフェーズにある。「NTTグループとの協業を進められる貴重な機会をいただいたと感じています。このご縁を活かしながら、全国への展開や連携を広げていきたいです(三宮氏)」

NTTドコモ・ベンチャーズの提携ストーリー(ILS2024)

ILSパワーマッチング

提案数※1

141

商談数※2

35

後日に再商談した社数
事業提携に至った社数

4

1

  • ※1) 大手とベンチャー双方からの商談リクエスト(商談依頼)合計。
  • ※2) ILS当日に、事前のリクエストによってマッチングした相手と商談した数。
株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ 
Investment & Business Development Director / ニューヨーク州弁護士 
小竹 有馬 氏

ILSは、CVCだけでなく事業会社も多数参加しており、単なる投資検討にとどまらず協業前提の出会いが大いに期待できます。また、初期フェーズを越えて成熟したスタートアップも多数集まるため、投資対象としても魅力的な企業と出会える確率が高いです。マッチングプラットフォームとしての完成度や実務的な使いやすさも高く、実効性のあるイベントですね。

株式会社リセ 取締役 CSO / 弁護士(日本・米国NY州)
 三宮 雅仁 氏

これまでイベントを通じて具体的な出資や提携につながるケースはそれほど多くはなかったのですが、ILSでは実際に出資・提携につながりました。事前マッチングと個別商談の仕組みがあるので、質の高い対話機会が確保されている点が大きいですね。また、参加企業が単なる情報収集やPRではなく明確な目的を持って参加されている印象で、具体的な資金調達や事業提携の話にもつながりやすいと感じました。

リセ社を推薦したILSアドバイザリーボードメンバー
日本政策金融公庫 中小企業事業本部 荻布 靖 氏