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提携事例

公開日:2022年4月25日 / 執筆:ILS事務局

株式会社JX通信社と富士フイルムシステムサービス株式会社は2021年9月に資本業務提携契約を締結。JX通信社が主に報道機関向けに提供してきたSaas型のビッグデータリスク情報サービス「FASTALERT(ファストアラート)」を、富士フイルムシステムサービスが得意とする地方自治体向けに展開するなど、シナジー効果が見込める協業に取り組んでいる。

富士フイルムシステムサービスの背景と狙い

1988年創業の富士フイルムシステムサービス(旧:富士ゼロックスシステムサービス)は、富士フイルムビジネスイノベーション(旧:富士ゼロックス)の子会社として複写機等の販売・サービス以外の外販事業を展開。特に公共事業に強みを持ち、戸籍総合システムではシェア70%、住民サービス領域でもコンビニエンスストアでの証明発行システムで50%近くのシェアを誇る。一方、公共事業領域では行政システム標準化等の環境変化が発生。これら環境変化の対応策として、新たな事業領域を模索していたところ、ある自治体から罹災証明発行に関する相談を受けた。これをきっかけに、防災領域に着目。この分野で早期にリリース可能な製品・サービスを持つパートナーを求めていた。「富士フイルムビジネスイノベーションおよび関係会社全体で事業課題を共有し、ILSには親会社の富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 総合企画部が代表として参加。会期後に当社の中核メンバーがJX通信社オフィスを訪問し、その場で意気投合しました」

JX通信社の背景と狙い

2008年創業のJX通信社の主力サービスは、SNSを中心に複数のビッグデータからAIを用いて自然災害や事件、事故、SNS炎上など、さまざまなリスク情報を収集・配信する「FASTALERT」で、NHKと全ての民放キー局、全ての一般紙に採用されるなど、国内の大半の報道機関に浸透している。同社では、これと一般向けに提供している「速報」が強い無料ニュースアプリの「NewsDigest(ニュースダイジェスト)」の2つを主軸としてきた。今後はさらに「FASTALERT」を民間企業や公共系組織に販売を拡大したり、用途を拡大することを目指している。ILSには投資家からの推薦で、2014年から毎年参加。「FASTALERT」自体があまり世の中に前例のないプロダクトなので、同社が想像し得ないオポチュニティも獲得していく必要があり、こうした情報サービスの存在自体を広く事業会社に知ってもらい、提携の可能性を模索する観点で参加していた。ILS後の初回ミーティングから参加した藤井氏は「ILSには経営企画部門だけでなく事業部長級の方も直接出られており、提携についても速やかに具体的な話を始められました」という。

提携内容

両社は互いの事業に関する理解を土台に、2021年3月の初回ミーティングから協業の手応えをもって、各社の公共分野における活動状況や人脈などを共有。年度単位の管理がベースとなる公共ビジネスにおいては毎年春先に実施している全国フェアがスタートダッシュとして重要なため、業務提携契約前ではあったが、両社で合同出展を実施した。さらに、公共領域の営業では自治体職員を訪問して製品説明することが重要であることから、富士フイルムシステムサービスの全国販売網の活用も契約締結前より速やかに実施している。現在は市場開拓を進めながら、防災ソリューション群として「FASTALERT」をどうインテグレートしていくかを検討、模索している。

そのほかに、公共以外の分野での協業として、「FASTALERT」のデータマイニング技術をマーケティングに適用したサービス「KAIZODO(カイゾード)」を、富士フイルムシステムサービスの流通業界向けソリューションとしてインテグレートすべく、トライアルを開始。競合の多いマーケティング領域において、独自のソリューション展開を模索している。「マーケティング業界には先行サービスが多く存在しており、後発の当社にとっては、すでに業界で信用と信頼を得ておられる富士フイルムシステムサービスをパートナーとするメリットは大きいと感じています」と、中氏。 また、もともと富士フイルムシステムサービスでは自治体や流通・製造・建設業の顧客に対して、社員が常駐してサービスを展開しており、業務プロセス改善を自分ごととして行ってきた。このような経験を土台に、JX通信社のSNSを活用したソリューションとのシナジーを考えることについて、「新たな切り口での取り組みに対して、社員からの提案も見られるようになり、社内が活性化しました」と竹中氏。

FASTALERT(ファストアラート)

富士フイルムビジネスイノベーションの提携ストーリー(ILS2021)

ILSパワーマッチング

商談リクエスト数※1

14

商談数※2

15

後日に再商談した社数
事業提携に至った社数

8

1

  • ※1) 大手とベンチャー双方からの商談リクエスト(商談依頼)合計。ILSでは参加ベンチャー企業を様々な検索軸で検索し、リクエストを行う事が出来ます。また、ベンチャー企業からもリクエストがあります。この仕組みにより、事前に精度の高いマッチングが可能となります。
  • ※2) ILS当日に、事前のリクエストによってマッチングした相手と商談した数。
富士フイルムシステムサービス株式会社 経営統括本部 デジタル戦略推進部 部長 
竹中 稔氏

従来は個社ごとの製品が持つ特徴で戦えたものが、現代ではそれぞれがコモディティ化しつつあるため、互いのサービスを掛け合わせ、独自のソリューションとして提供する必要があります。今回このように他社イノベーターと協業しながら、自社ビジネスのあり方を見直すことに新鮮さを感じています。互いをどう生かしていくか、高め合うような視点が資本提携で身につきました。グループにおいても、良い先行事例となっています。

株式会社JX通信社 FASTALERT 公共戦略チームマネージャー
藤井 大輔氏

IILSでは、大企業側が具体的な課題をあらかじめサイト上で提示されていて、スタートアップとしても、ミートした提案を考えることができます。そうして、それぞれに準備をしたうえで商談できるのが魅力ですね。実際、準備にかかるエネルギーは他のマッチングイベントの10倍くらいありますが、それに匹敵する十分な価値があり、当社でも毎回、何かしらの具体的な商談に進めることができています。