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提携事例

3Dデータ活用プラットフォームの開発に向け資本提携、ならびに双方のシナジーを追求する業務提携

株式会社VRCと株式会社アスカネットは、VRCが第三者割当増資で発行する普通株式をアスカネットが引き受ける資本提携、ならびに双方のシナジーを追求する業務提携を締結。VRCの持つ高速3Dスキャナーの技術とアスカネットの持つ「ASKA3Dプレート」を持ち寄り、3Dデータ活用プラットフォームといった新たなビジネスモデルの共同研究開発などを推進していく。

アスカネットの背景と狙い

アスカネットはオンライン個人写真集作成サービス「マイブック」や、空中に実像を結像させるディスプレイ「ASKA3Dプレート」などを提供している画像・映像関連サービス会社。設立以来、新技術やサービス開発は社内で創出することにこだわる“自前主義”を貫いてきた。しかし、「優秀なベンチャーが増えている中、スピード感を持って事業を推進していくためには、自前主義にこだわることなくベンチャーへの出資も積極的に行い、その技術を取り込んでいくべき」と路線変更。2016年度のILSに初参加する。

2017年度のILSでVRCと出会い、同社の高速3Dスキャン技術を高く評価すると、より密な関係となって可能性を追求していくべきとして即座に経営判断し、2018年3月に資本業務提携を締結する。「常に新たな画像・映像表現技術を探してきたが、VRCの技術と当社の『ASKA3Dプレート』を組み合わせると、非常に面白いものができそうなワクワク感があった」と専務取締役CFOの功野顕也氏は話す。

VRCの背景と狙い

VRCは、人間や物をわずか0.5秒でスキャンし、20秒以内でモデリング処理を行う、世界最速級の3Dボディスキャナーを開発するスタートアップ。この用途として、身体の採寸や体型チェックのシステム、自己アバターの作成といった用途が検討されていた。

「元々エンジニアであった私が2016年に創業し、技術には自信があったものの、マーケット開拓に難航しブレイクスルーできずにいた」と代表取締役社長の謝英弟(シェー イン ディー)氏。そんな時に、ILSのアドバイザリーボードからILSの紹介を受け、参加を決める。そこで、アスカネットとの商談をリクエスト。アスカネットの「ASKA3Dプレート」と自社の3Dボディスキャナーの親和性の高さ、および同じオーナー企業同士として、アスカネットの経営手法を学びたいとの思惑があった。

VRCが開発する3Dボディスキャナー

提携内容

両社が提携して取り組んでいくテーマは大きく3つ。まずはアスカネットの既存顧客への3Dボディスキャナーの販売。「紹介すると非常に面白いと興味を示す顧客が多い」と功野氏。アスカネットにとっては、既存顧客とのリレーション強化に効果がある。2つめは、3Dボディスキャナーで取得する3Dデータを、「ASKA3Dプレート」と融合させ新たな3D表現を提案し、「ASKA3Dプレート」の販売推進に繋げること。

そして3つめは、「3Dデータ活用プラットフォーム」ともいうべき新たなビジネスの共同研究開発である。「アスカネットで開発しているのはハードウェアやシステムなので、その価値を発揮させるにはコンテンツが必要。ボディスキャナーによるコンテンツの“入り口”を加えることで、入り口から出口までをサポートしたプラットフォームを構築し、3Dデータを多様な用途へ展開可能にする構想を描いている」と功野氏。

例えば、アパレル店舗におけるジャストフィットしたオーダーメード服や、仮想試着サービス、アミューズメント施設におけるアバターとゲームの合成によるリアル体験の提供といった展開を想定している。「こうした構想に向け、いくつかのテーマごとにチームを設けてプロジェクトを推進しているところ。実現に向けて新たな提携先も検討が進んでいる」と謝氏。

提携締結後より、アスカネットの功野氏のチームが本社のある広島や東京のオフィスから、VRCのオフィスに足繁く通う。共同のプロダクト開発だけでなく、事業の相談や人的ネットワークの紹介など、シードのステージにあるVRCをさまざまな面でサポートしながら、構想の実現に向けて緊密な関係を築いている。

生成された3Dモデル

アスカネットの提携ストーリー

ILSパワーマッチング

商談リクエスト数※1

13

商談数※2

16

後日に再商談した社数
事業提携に至った社数

4〜5

2

  • ※1) 大手とベンチャー双方からの商談リクエスト(商談依頼)合計。ILSでは参加ベンチャー企業を様々な検索軸で検索し、リクエストを行う事が出来ます。また、ベンチャー企業からもリクエストがあります。この仕組みにより、事前に精度の高いマッチングが可能となります。
  • ※2) ILS当日に、事前のリクエストによってマッチングした相手と商談した数。
株式会社アスカネット 専務取締役
CFO 功野 顕也氏

当社の本社は広島にあるのですが、提携を模索する優秀なスタートアップの多くは東京に集中しています。ILSは、そんなスタートアップに短期間にまとめて接触できる効率の良さが魅力的ですね。また、マッチングだけでなく、興味深いセミナーや講演もあるので、貴重な数日間を過ごさせてもらえています。

株式会社VRC 代表取締役社長 
謝 英弟氏

ILSは、1回で何社もの大手企業の経営層や新規事業部門の責任者に会えるところが非常にいいと思います。というのは、当社の製品は既存の事業のソリューションというより、未来の新規サービスとして貢献できるものと考えており、中長期的な視点を持つ人でないと価値を理解してもらうことが難しいからです。そんなキーパーソンにまとめて会えるILSは、貴重な存在ですね。