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提携事例

株式会社分析屋と富士ゼロックス株式会社は、2018年3月、富士ゼロックスが開発中のBMIデバイス(Brain Machine Interfaceの略で、脳とコンピュータ間とで信号をやりとりする技術)で収集するデータの活用に関する共同研究開発をスタートさせた。富士ゼロックスとしては未知の分野であるため、メディカル領域におけるデータ分析を得意とする分析屋の協力を求めた形。“0 → 1”の事業開発を手がけていく上で、スタートアップとのコラボレーションによりR&Dを進めていく狙いがある。

富士ゼロックスの背景と狙い

富士ゼロックスは、国内トップクラスのシェアを誇るオフィス用の複合機・プリンターをはじめ、ドキュメントサービスを中心としたシステムインテグレーションや商業印刷分野向けソリューションなどを提供する大手。ビジネス領域でドキュメントを軸に、新たな“コミュニケーション”の創出で世の中を変革してきた企業である。

同社の研究技術開発本部コアバリュー開発グループは、いわば“社内ベンチャー”として新規事業の創出に取り組む組織。同グループでは、“IoH”(Internet of Human)領域への取り組みとして、新しいユーザーインターフェスの創出でコミュニケーションの次なる変革を実現していくため、脳波が含まれる生体情報をセンシングするBMIデバイスの開発に着手し、このほど形にした。しかし、このデバイスでどんなデータがセンシングできるのか、そのデータにはどんな価値があり、そしてどのようなサービスに活用できるのかは、これから探るという状況にあった。

そこで、生体情報の分析や加工に長けたスタートアップとの提携を目的に、4年連続となった2017年度のILSに参加し、分析屋に白羽の矢を立てた。

分析屋の背景と狙い

分析屋は、2011年に、主にメディカル領域のデータ分析エンジニアの派遣サービスでスタートしたスタートアップ。製薬会社やCRO(医薬品開発業務受託機関)を中心に業績を伸ばしてきたが、他社への派遣だけでなく自社サービスも手がけたいと考え、手掛かりとして大手の協業先を求めて2014年度のILSに初参画。以来毎年参画し、毎回、大手とのさまざまなビジネスに結び付けてきた。

2017年度のILSでは、当時着目していた“ヘルスケア×IoT”という領域で、自社が得意とする技術をアピール。医薬品の臨床試験結果や、副作用調査結果の統計的手法による分析といった数々の実績が評価され、富士ゼロックスから商談依頼を受けた。

開発中のBMIデバイスと解析用ソフトウェア

提携内容

富士ゼロックスのBMIデバイス開発プロジェクトは、同社にとって未経験の領域であるため、当初より既存のアセットにこだわらず、複数のスタートアップとのオープン・イノベーションの形を取る方針で臨んだ。まず、脳波を含む生体情報のセンシングデバイスを外部との共創によって独自開発したが、次のフェーズとして、デバイスで取得したセンシング情報を意味のある情報に変えるためのアルゴリズムの信頼性の評価や、実際にどんなデータがセンシングできるのかといった分析をする必要があり、分析屋と取り組んでいるところだ。

フラットな関係とオープン・イノベーションを指向している同社は、分析屋とは単純な受発注の関係ではなく、パートナーとして互いに未知の領域に取り組むスタンスを明確に打ち出している。

「分析屋さんは、まだ使いものになるのか見当のつかない段階のデータであっても果敢に分析にトライしてくれたり、分析よりも前に“まずはデータの信頼性を確認すべき”などと、専門家としてやるべきことに踏み込んで提案してくれたりするので頼もしい」と本プロジェクトを主管する富士ゼロックス 研究技術開発本部研究主幹の馬場基文氏は評価する。

「このような組み方だと、当社の強みが存分に発揮でき、建設的なコラボレーションができる」とは分析屋代表取締役社長の廣川貴氏。分析屋のプロジェクトメンバーにとっても、自分たちの意見や提案が求められるという仕事の面白さに加え、BMIという新しい分野での研究は成長に繋がる機会ともなっているという。

同プロジェクトでは、センシングデータの分析・評価が済めば、次にデータを活用しての用途開拓、そしてサービス化というステップを進めていく構えにある。

富士ゼロックスの提携ストーリー

商談リクエスト数※1

22

商談数※2

24

後日フォローアップ

8

提携合意数

2

  • ※1) 大手とベンチャー双方からの商談リクエスト(商談依頼)合計。ILSでは参加ベンチャー企業を様々な検索軸で検索し、リクエストを行う事が出来ます。また、ベンチャー企業からもリクエストがあります。この仕組みにより、事前に精度の高いマッチングが可能となります。
  • ※2) ILS当日に、事前のリクエストによってマッチングした相手と商談した数。
富士ゼロックス株式会社 政策ビジネス推進部 シニアスペシャリスト 武田 優氏

当社はさまざまなイベントやネットワークを通じて協業先のスタートアップを探しています。ILSにも第2回目から毎年参加していますが、良質なスタートアップを数多く集めているという印象があります。提携に至らずとも、お互いのやりたいことを共有し「機会があればいつか必ず」と話せる相手がとても多いのです。

世の中には参加無料のマッチングイベントは数多くありますが、あえて有料であるILSに参加しているのは、プロの目利きによって高度にスクリーニングされた400~500社というスタートアップにアクセスできる効率のよさ。世の中のスタートアップを評価する最適な機会であると考えています。

分析屋 代表取締役社長 廣川 貴氏

当社をILSに推薦してくれたアドバイザリーボードから、「2社しか推薦できないうちの1社として推薦するから、うちの顔を立ててきてほしい」と言われました。それで燃えましたね(笑)。

おかげさまで、2014年度の初回参加から4年連続で提携相手が見つかり、すべていいビジネスに発展しています。ILSは、多くの大手企業とまとめて商談できる機会として、非常に貴重なものと受け止めています。2019年度ももちろん参加させていただきます。