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提携事例

過疎地域などにおける次世代交通・エネルギー問題の解決に向けたプロジェクトを共同で実施

TIS株式会社と株式会社INDETAILは2019年2月に共同で、過疎地域などにおける次世代交通・エネルギー問題の解決に向けたコンソーシアム「ISOU PROJECT(イソウ・プロジェクト)」を発表。プロジェクト推進母体となる協議会を発足して賛同企業を募り、次世代交通及びエネルギープラットフォームの構築・提供を目指す。

TISの背景と狙い

金融系を主力に製造からサービスまで、幅広くシステムインテグレーションを提供するTIS。エネルギー産業においても、大手電力やガスの基幹システムをメインに受託開発を行ってきたが、近年の電力やガスの自由化、新電力の参入など業界構造の変化を受けて、事業モデルの変革に取り組んでいた。

エネルギービジネス事業部で企画営業に携わる砂山氏が、ひとつの構想として念頭にあったと語るのが、エネルギーの自由化が先行するドイツの「シュタットベルケ」と称されるような公益企業による事業活動モデル。地方自治体と民間の協力により、電力のいわば地産地消を実現する地域電力としての新電力とその活性化だった。

TISでは既に、新電力に特化したソリューションを提供しているが、その発展形として「日本版シュタットベルケ」を目指すべく、地方自治体やエネルギー会社に加え、地域経済も同時に活性化・共創できるような枠組みを模索していた。

INDETAILの背景と狙い

株式会社INDETAILは北海道に拠点を置き、ブロックチェーンを中心とした基盤技術の開発と応用に取り組むスタートアップ。代表である坪井氏が昨年、北海道の厚沢部(あっさぶ)町に視察に招かれ、少子高齢化やインフラの老朽化に直面する地域経済の現状を目の当たりにし、自社の技術を地域課題の解決に役立てられないかと考えたところから「ISOU PROJECT」を着想する。

地熱ダムなど、潜在的なエネルギー資源を抱える厚沢部町。新たなIT技術やエネルギーで町の再生・活性化を描く町長のビジョンに触れ、再生エネルギーの活用と地域サービスとが持続的に循環する、地域経済の新しいあり方を構想した。

その端緒として、地域のバスをEV化し再生エネルギーで提供する計画が固まっていく。「私達が得意とするのは、ブロックチェーンや地域通貨などの領域。この構想を実現させるには、オープンイノベーションで多くの事業者に参加してもらう必要がある」と考えILSのパワーマッチングに臨んだ。

提携内容

坪井氏から見ると、エネルギーマネジメントのシステムと知見を有するTISは、プロジェクトの構想にピッタリはまる理想的なパートナー。一方で、地域を主体とする新電力のあり方を模索していたTISにとっても、坪井氏の構想は魅力的なもので自然と協業に向かったという。

意気投合した両社はさっそく、プロジェクト事務局を発足。更なる賛同企業を募ると、協議会を立ち上げ、ILSでの出会いから半年も経たないというスピード感で、2019年2月に合計8社が参加する「ISOU PROJECT」の発表に至った。

「ISOU PROJECT」では2019年夏に、厚沢部町と共同で再生エネルギーとEVによる地域MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)のPoC(概念実証)実施を目指している。実際に地域住民が参加し、地域活動に応じて「ISOUコイン」と呼ばれる地域通貨が発行され、コインを使ってEVによる移動サービスが受けられるというもので、ブロックチェーンがその基盤を担っている。

協議会ではこのPoCを通じて、地域で生産された再生エネルギーを積極的に活用していく地産地消、そしてそれを促す仕組みとして、地域通貨やエネルギーマネジメントの実効性と有効性を確認することを目的としている。その後は事業化を目指してプロジェクトの法人化、他の自治体への展開など、事業を拡大させていく計画だ。

TISの提携ストーリー

ILSパワーマッチング

商談リクエスト数※1

22

商談数※2

24

後日に再商談した社数
事業提携に至った社数

1

  • ※1) 大手とベンチャー双方からの商談リクエスト(商談依頼)合計。ILSでは参加ベンチャー企業を様々な検索軸で検索し、リクエストを行う事が出来ます。また、ベンチャー企業からもリクエストがあります。この仕組みにより、事前に精度の高いマッチングが可能となります。
  • ※2) ILS当日に、事前のリクエストによってマッチングした相手と商談した数。
TIS株式会社 インダストリー事業統括本部 産業公共事業本部
エネルギービジネス事業部 エネルギービジネス企画営業部長 砂山 広行氏

ILSでINDETAILさんに面談オファーをしたのは、エネルギー分野におけるブロックチェーンの応用に関して聞いてみたかったというのが理由です。しかし、実際にお話をしてみると、技術というよりもその先に描いている構想の部分でマッチしていました。

面談は20分という短い時間でしたが、社会的課題に対するコンセンサスや、やりたい方向性などをお互いに共有できたというのが、次のステップに繋がるポイントでした。

株式会社INDETAIL 代表取締役CEO 坪井 大輔氏

私達はブロックチェーンの技術を手がけている会社ですが、プロジェクト単位で構想し、プロトタイピングやPoC(概念実証)を手がけ、オープンイノベーションで大手の力を借りながらグロースさせていくという事業の作り方を志向しています。

ですので、ILSの面談でも技術から入るのではなく、その技術が実現する構想や経済圏のイメージをお伝えするよう心がけています。今後もプロジェクトに共感していただける、オープンイノベーションのパートナーと出会えることを期待しています。

ILSは5回目の参加で、毎年、出会った大手企業様とは何らかのお取引をさせていただいています。今後も私たちは新たな出会いを求め、前向きにこのイベントに出展してまいります。