事例一覧 > 株式会社メディアブレスト x 全日空商事株式会社
提携事例
ANA国際線の機内放送番組を共同で制作・提供、オリジナルコンテンツを強化
株式会社メディアブレストと全日空商事株式会社は2015年2月に業務提携し、ANA国際線の機内放映番組を共同で制作、提供を開始した。ANA国際線の旅客数は年間700万人を超えており、長時間のフライトを快適に過ごしてもらうため、機内では約350の番組を放映している。今回の業務提携については番組需要の増加に伴う、オリジナル・コンテンツの強化という狙いがある。
ANAの背景と狙い
航空会社として知られているANAだが、旅客輸送以外の事業領域への拡大も進めており、既存のリソースを活用した航空機の整備事業や空港の運営事業のほか、マイレージ会員との接点を生かしたビジネスなども推進している。
そうしたなか、国際線の旅客向けサービスからも新しいビジネスが創出できないかと検討していた。年間700万人にもなる旅客向けの番組は、巨大メディア・視聴者でもあると考えるとメディアビジネスの可能性があった。
メディアブレストの背景と狙い
株式会社メディアブレストは2004年に法人化されたベンチャー。同社の事業はお笑い芸人のネタ映像をネットで配信するというもの。毎月150ネタを撮影し、Gyaoやスカパー、ホテルの有料チャンネルなどへ配信している。コンテンツ数は累計で3000本を超えているが、配信先の新規開拓に課題を抱えていた。
提携内容
ANAが機内で配信している番組は2カ月に1度は見直しをしており、常に面白い番組を探していた。機内で配信しているコンテンツの提供元の多くはテレビ局や映画会社などだが、すでに放送された番組や映画を購入する形式が多く、オリジナル・コンテンツの提供などは難しかった。
そうした従来の番組提供元と比べてユニークなコンテンツプロバイダーであるメディアブレスト社だが、今回の提携によりANAオリジナルの番組作りに取り組むことは、同社が今後メディアビジネスを推進していく布石にもなるだろう。
具体な提携内容だが、毎月メディアブレスト社から素材を提供し、共同で番組企画を検討・改善したうえで、コンテンツを作り上げている。旅客満足度は、「椅子の快適さ」・「機内食」・「エンタメ」という3つが大きく、ANAにとってもエンタメ・コンテンツを拡充していくことは、本業への効果という点からも大きい。
ANAの提携ストーリー
- ※1) 大手とベンチャー双方からの商談リクエスト(商談依頼)合計。ILSでは参加ベンチャー企業を様々な検索軸で検索し、リクエストを行う事が出来ます。また、ベンチャー企業からもリクエストがあります。この仕組みにより、事前に精度の高いマッチングが可能となります。
- ※2) ILS当日に、事前のリクエストによってマッチングした相手と商談した数。
ANAホールディングス株式会社 グループ経営戦略室 事業推進室 関連事業チーム 主席部員 金津 宏則氏
メディアブレスト社とは第2回ILSで商談しました。ILSでは100社からのリクエストがあり、ILS当日は12社と商談しました。いかに新しいビジネスを作れるかという視点で提携先を探していて、特に既存のサービスとの相乗効果が見込めるようなベンチャーを求めていました。
そうしたなか、メディアブレスト社は今までにないカテゴリーのベンチャーだったので、面白そうだと思ったのがきっかけでした。
ベンチャーならではのスピード感でこちらの要望にも細かく対応して頂いて、一緒にコンテンツを作り上げるパートナーに出会えたと思います。
株式会社メディアブレスト 代表取締役 宮谷 大氏
子供のころから飛行機が大好きで、なかでもANAは憧れの存在でしたので、今回の定例は夢のような話で、ILSでの商談が決まった時は本当に嬉しかったですね。すぐに提案書作成に取りかかり、「機内にお笑いを」というテーマでプレゼンをさせて頂きました。
2014年9月に最初の商談をさせていただいた後、提携の話しはとんとん拍子で進んで、2015年2月から番組の提供を開始しました。今後はよりお客様のニーズを反映した番組作り、特に季節感のあるものなども考えていきたいです。
ベンチャーが大手企業にアプローチする場合、そもそも窓口すらわからない事が多いので、ILSのような機会は本当にありがたいと思います。