新規事業開発に必須のフレームワーク28選を分かりやすく紹介

オープンイノベーション

新規事業をはじめる際に、便利なのがフレームワークです。

フレームワークは、ビジネスアイデアを実現するための計画立案や市場調査、競合分析、アイデアや思考の整理をおこなうために役立ちます。

当記事では、新規事業開発に適した28種類のフレームワークをご紹介します。新規事業開発をスムーズに進めるためにもフレームワークそれぞれの特性を理解し、上手に活用しましょう。

  1. フレームワークとは
    1. フレームワーク活用のメリット
    2. フレームワーク活用のポイント
  2. フレームワーク活用の順番
  3. 1.アイデア出しと整理
    1. スキャンパー分析は新しい角度から物を見る術
    2. マンダラートは思考を広げる道具
    3. ペルソナ分析は顧客理解のための鍵
    4. 6W3Hは計画を練る際の基本
    5. マトリクス分析はビジネスの位置を視覚的に捉える手法
    6. ブレインストーミングは、創造性を刺激する活動
    7. アナロジー分析は、異なる分野から得るヒント
    8. リーンキャンバスはアイデアを素早く検証する枠組み
    9. KJ法は、情報を整理し問題の本質を見つける手法
    10. ロジックツリーは複雑な問題を解決するための構造
    11. マインドマップはアイデアや情報を整理するツール
  4. 2.市場調査と分析
    1. 3C分析では、顧客と競合が鍵
    2. SWOT分析では、会社の現状を把握する
    3. クロスSWOT分析で、戦略を具体化
    4. ポジショニングマップを使って、市場内での立ち位置を明確に
    5. VRIO分析は、競争優位を築くための資源を見極める手段
    6. STP分析で、ターゲット顧客に合わせた製品戦略を練ろう
  5. 3.事業内容の構築
    1. 4C分析で顧客の心をつかむ
    2. 4P分析で商品の魅力を伝える戦略を立てる
    3. バリューチェーン分析でコスト削減と差別化を
    4. ビジネスモデルキャンバスで事業計画をクリアに
    5. AISAS(アイサス)モデルで顧客の心を可視化
  6. 事業の修正や改善
    1. ECRS(イクルス)で、事業をシンプルに
    2. PDCA(ピーディーシーエー)で事業を改善!
    3. PLC(プロダクトライフサイクル)で製品の一生を見直そう
    4. ピラミッドストラクチャーで情報を効果的に伝えよう
    5. カスタマージャーニーマップで顧客の体験を大切に
    6. RFM分析で顧客の行動を深く理解
  7. フレームワーク活用事例
    1. 1. スタートアップによるリーンキャンバスの活用事例
    2. 2. 大手企業によるSWOT分析を用いた新規事業戦略の策定
  8. まとめ

フレームワークとは

新規事業開発においては、アイデアを生み出しさらに具体的な計画にまで落とし込むことが必要です。この過程を通じて、市場を分析することが重要となります。

こうした一連のプロセスを効果的に進めるためには、フレームワークの選択と活用が欠かせません。フレームワークは、新しい事業アイデアの構想から事業計画の策定、市場の分析まで含めた新規事業開発の各段階で役立つツールです。

適切なフレームワークを選び、柔軟にカスタマイズして活用することが必要です。適切な選択と活用によって、事業の成功確率を高めることができます。

フレームワーク活用のメリット

フレームワークを活用することで、新規事業開発のプロセスが格段にスムーズになります。

まず、複雑な情報やアイデアであってもフレームワークを通して整理すれば、はっきりとした形にすることが可能です。

次に、整理された情報はチームで共有しやすくなります。情報共有によって、全員が同じ方向を向いて進めるようになり、効率的な意思決定が可能になります。

さらに、場面ごとに適切なフレームワークを用いることで時間の節約にもつながります。無駄な迷いや試行錯誤を減らし、事業開発を速く進められるのです。

こうしたメリットは、新規事業開発の担当者にとって大きな助けとなるため、事業の成功確率を高める重要な要素です。フレームワークを適切に選択し、柔軟に活用することで、新規事業成功の可能性を最大限に高めましょう。

フレームワーク活用のポイント

まず、異なるフレームワークを組み合わせることでひとつのアイデアに対し、より広い視野からアプローチできるようにしましょう。

次に、客観的視点を持つことが重要です。自社の状況を外から見るように心がけながら分析することで、真のニーズや機会を見極めましょう。

最後に新規事業のビジョンを明確にすることが大切です。目指すべき方向性をはっきりさせ、チーム全員が共通の目標に向かって努力できるようにします。

こうしたポイントを押さえれば、フレームワークを最大限に活用し新規事業開発を成功に導けるのです。

フレームワーク活用の順番

新規事業をはじめるときには、適切な手順を踏むことが大切です。以下のステップでそれぞれの場面にふさわしいフレームワークを利用すれば、うまく事業を進められるようになります。

  1. アイデア出しと整理
  2. 市場調査と分析
  3. 事業内容の構築
  4. 事業の修正や改善

1.アイデア出しと整理

新規事業開発では、よいアイデアと整理が重です。各フレームワークを用いることで、アイデアの質を向上させられる可能性が高まります。

スキャンパー分析は新しい角度から物を見る術

SCAMPER法は既存のアイデアや商品を新しい方法で見直して、改善点や新しいアイデアを見つける手法です。

マンダラートは思考を広げる道具

マンダラート(マンダラチャート)は中心にテーマを置き周りに関連するキーワードを加えていくことで、アイデアを広げる方法です

ペルソナ分析は顧客理解のための鍵

架空の顧客像を作り、詳細情報を考えることで、商品やサービスが解決すべき問題を明確にする方法です。

6W3Hは計画を練る際の基本

「何を(What)」「なぜ(Why)」「誰が(Who)」「いつ(When)」「どこで(Where)」「どのように(How)」「どれくらいの費用で(How much)」「どれくらいの量で(How many)」「誰と(Whom)」という質問で、詳細なビジネス計画を立てる方法です。

マトリクス分析はビジネスの位置を視覚的に捉える手法

複数の要素を基にして、ビジネスや商品の位置づけを視覚的に分析する方法です。

ブレインストーミングは、創造性を刺激する活動

グループで自由にアイデアを出し合い、創造性を高める手法です。

アナロジー分析は、異なる分野から得るヒント

異なる分野や事象から共通点を見つけ、新しいアイデアや解決策を考えるための方法です。

リーンキャンバスはアイデアを素早く検証する枠組み

事業の重要なポイントを1枚の紙にまとめ、アイデアの実現可能性を早いうちに検証する方法です。

KJ法は、情報を整理し問題の本質を見つける手法

あらゆる関連情報を書き出し、情報や意見を整理し、問題の核心を見つける手法です。

ロジックツリーは複雑な問題を解決するための構造

複雑な問題を、枝葉のように小さな部分に分けていき、解決策を段階的に導き出す手法です。

マインドマップはアイデアや情報を整理するツール

アイデアや情報を図式化して整理し、直感的かつ創造的に考えを深めるツールです。

2.市場調査と分析

新規事業を成功させるためには、市場のニーズや競合の動向をしっかり調査・分析することが大切です。

3C分析やSWOT分析などを使って、自社の強みや市場のチャンスを見つけ、適切な戦略を立てましょう。

また、フレームワークを活用することで自社の弱点なども明らかになります。こうしてリスクを減らし、ビジネスの成功確率を高めていきましょう

3C分析では、顧客と競合が鍵

3C分析は、顧客(Customer)、競争相手(Competitor)、そして自社(Company)を分析し、自社の強みと弱みの発見に役立ちます。

SWOT分析では、会社の現状を把握する

SWOT分析は、会社の強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)を把握する方法です。問題解決力を身につけるために役立ちます。

クロスSWOT分析で、戦略を具体化

クロスSWOT分析は、SWOTの結果を深掘りして、実行できる戦略を立てるために役立ちます。

ポジショニングマップを使って、市場内での立ち位置を明確に

ポジショニングマップは、商品やサービスの市場内位置を視覚化することです。市場からの需要を理解し、効果的な商品開発や訴求方法を考えるために役立ちます。

VRIO分析は、競争優位を築くための資源を見極める手段

VRIO分析は、企業の資源が持つ価値(Value)、希少性(Rarity)、模倣不可能性(Imitability)、組織(Organization)を評価する方法です。自分たちの強みを活かした戦略の立案に役立ちます。

STP分析で、ターゲット顧客に合わせた製品戦略を練ろう

STP分析は、市場セグメンテーション(Segmentation)、ターゲット選定(Targeting)、ポジショニング(Positioning)という観点から市場を分けてターゲット顧客を定める方法です。顧客に対する適切な商品やサービスなどの提示方法の考案に役立ちます。

3.事業内容の構築

新規事業のアイデアを実現するためには、市場のニーズや自社の特徴を理解し、それを元にビジネスモデルを構築することが重要です。

4C分析や4P分析などを活用して、顧客に響く商品やサービスを考え、市場での立ち位置や価格設定を確立していきましょう。

4C分析で顧客の心をつかむ

顧客の価値(Customer Value)、顧客のコスト(Cost)、利便性(Convenience)、コミュニケーション(Communication)の4つを重視して分析します。

4P分析で商品の魅力を伝える戦略を立てる

製品(Product)、価格(Price)、販売場所(Place)、プロモーション(Promotion)の4つの観点から、商品やサービスを市場にどう供給するかを考えます。

バリューチェーン分析でコスト削減と差別化を

自社がどのように顧客へ価値を提示しているかを見て、コスト削減や差別化のチャンスを探ります。

ビジネスモデルキャンバスで事業計画をクリアに

事業の全体像を、価値提案、顧客セグメント、チャネル、顧客との関係、収益の流れ、主要活動、主要リソース、主要パートナーシップ、コスト構造という9つの要素で明確にし、アイデアを整理して計画を立てます。

AISAS(アイサス)モデルで顧客の心を可視化

顧客の購買行動をAttention(注意)、Interest(興味)、Search(検索)、Action(行動)、Share(共有)という5つのステップで捉え、マーケティングやコミュニケーション戦略を練ります。

事業の修正や改善

新規事業を大きくする過程では、市場の変化や他社との競争に合わせて事業の内容を見直し、よりよくする必要があります。このときもさまざまなフレームワークを使って、柔軟に考え計画的に対応することが大切です。

ECRS(イクルス)で、事業をシンプルに

Eliminate(削除)、Combine(組み合わせ)、Rearrange(再配置)、Simplify(簡素化)をおこない、事業の無駄をなくし、シンプルで効果的な運営を目指す方法です。事業を見直して、よりよくするために使います。

PDCA(ピーディーシーエー)で事業を改善!

Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)のサイクルを繰り返すことで、事業をよりよく改善していく方法です。

PLC(プロダクトライフサイクル)で製品の一生を見直そう

製品が生まれてから終わるまでの過程を見て、その時々に合った戦略を考える方法です。市場の変化に柔軟に対応し、事業の持続可能性を高めることができます。

ピラミッドストラクチャーで情報を効果的に伝えよう

大切な情報から順に話すことで、相手に伝えたいことを明確にする方法です。重要なポイントを先に共有することで、全員が同じ方向を目指すように促せます。

カスタマージャーニーマップで顧客の体験を大切に

顧客が製品やサービスに触れる経験を図にして、顧客満足度を上げるための改善点を見つける方法です。

RFM分析で顧客の行動を深く理解

顧客の購入行動を分析して、顧客のロイヤルティや購入傾向を理解し、マーケティングや事業改善に役立てる方法です。

フレームワーク活用事例

新規事業をはじめる際に役立つフレームワークの活用事例を紹介します。

適切なフレームワークの選択と活用によって、新規事業の成功確率を高めることができます。新規事業開発の際には、こうした事例を参考にして自社に合ったフレームワークを見つけ活用してください。

1. スタートアップによるリーンキャンバスの活用事例

あるスタートアップ企業が、新しいアプリ開発のアイデアを持っていました。しかし、どの機能がユーザーにとって本当に価値があるのかを見極めることは困難です。

そこで「リーンキャンバス」フレームワークを活用し、アイデアの検証から事業モデルの構築までをスピーディーにおこないました。小さな実験を繰り返し、ユーザーの反応を見ながら、必要な機能を絞り込み、余計なコストを削減したのです。

こうした方法によって、短期間で市場に合ったアプリをリリースすることが可能となり、成功を収めました。

2. 大手企業によるSWOT分析を用いた新規事業戦略の策定

大手飲料メーカーが、健康ドリンク市場への参入を考えました。健康意識の高まりを背景として、健康ドリンクに商機を見出したのです。

どのようにして事業を成功させるかを考えるために、「SWOT分析」を使いました。会社のよいところ(S)として、豊富な資金と十分な販路があること、まだ経験がないことを悪いところ(W)、健康意識の高まりをチャンス(O)に位置づけ、ほかの会社がすでに売っている商品をライバル(T)として考えました。

SWOT分析から、自分たちの健康ドリンクがどう特別なのかをアピールする計画を立て、新しい事業を成功に導いたのです。

まとめ

当記事では、新規事業開発に役立つ「フレームワーク」の大切さと、どのような種類があり、どういった場面で使うかについて説明してきました。

フレームワークは、アイデアの発案からビジネスプランの作成、市場の調査まであらゆる場面で使えます。自社に合うその場面ごとに適切なフレームワークを選んで上手に使うことで、ビジネスを成功させるチャンスを高めることができるのです。

また、フレームワークを使ってビジネスを大きく成長させ、新しい市場を開拓した事例も紹介しました。こうした事例は、新規事業をはじめる方たちにとってのお手本となります。

新規事業開発には多くの困難やリスクがあります。しかし、フレームワークの活用により、困難やリスクを減らし成功へ近づくことができます。フレームワークから得られる新しい考え方や計画をビジネスに落とし込み、事業をスムーズに進めよい結果を手に入れましょう。

新規事業をはじめる方法のひとつとして、「オープンイノベーション」が挙げられます。オープンイノベーションは、技術が進化し続ける今の時代に会社が大きく変わるための強い味方となるでしょう。

新規事業開発に関するさらなる情報やサポートが必要であれば、資料請求をご検討ください。オープンイノベーションを通じて、新たなビジネスチャンスを見出し事業の成功を実現しましょう。

著者
ILS事務局

アジア最大規模のオープンイノベーションのマッチングイベント「Innovation Leaders Summit(ILS)」を開催。
ILSとは、大手企業のアセットとスタートアップのアイデアやテクノロジをマッチングし、グローバルイノベーションを生み出すことを目的に経済産業省後援のもと発足したプロジェクト。
2023年12月に開催したILS2023において、メインの事業提携マッチングプログラム「パワーマッチング」は、国内外の主力VCなどで構成する約100名のILSアドバイザリーボードが推薦する有望スタートアップ812社(内、海外企業266社)と大手企業113社が参加、3,121件の商談が行われ1,032件の協業案件を創出した。アジア最大級のオープンイノベーションカンファレンス。

主催: イノベーションリーダーズサミット実行委員会(SEOU会、ドリームゲート/株式会社プロジェクトニッポン)
後援: 経済産業省/新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)/東京都/日本政策金融公庫/オーストラリア大使館(第10回ILS実績)
運営: 株式会社プロジェクトニッポン

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